私はカウンセラーです。2月20日(金)早朝、川崎市の多摩川河川敷で暴行を受け遺体となって発見された中学1年生、上村遼太さんのことが、ずっと心に引っかかっていました。

上村遼太さんは2月の寒く冷たい川に、裸で泳がされた後、暴力を振るわれ、裸のまま跪かされ、イスラムの処刑のやり方を真似た少年たちに、工具用カッターで顔や手足を傷つけられ、首を切られ(深さ10センチ)、失血死させられました。「助けて!」と命乞いもしたことでしょう。その後、三人の少年たちは遼太さんの遺体を足で蹴飛ばして草叢へ移動させた・・・あり得ない行動、惨(むご)すぎる殺人事件です。
※ 毎日新聞 3月3日 から写真をお借りしました

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少年法に守られて、26日(木)になってようやく逮捕された18歳の少年と2人の17歳の少年の犯した殺人という重大な犯罪。「今は話せない」「思い出せない」「俺はやってない」とシラを切り、お互いに「あいつがやった」と殺人をなすり合う。18歳の少年の父親がマスコミに対して「一緒に家にいた」と嘘のアリバイ証言する等、余りに不実で赦しがたいことが続きました。3月6日午後、県警が現場の河川敷に18歳少年を立ち会わせ、実況見分が行われ、ようやく殺人の事実に触れはじめたばかりです。
(身内を守るために嘘のアリバイを証言しても、刑法上は無罪だということですが、怒!怒!怒!この親にしてこの子ありです。)
この事件、犯人たちはしっかり自分の犯した罪、殺人の重大さを自覚し、罪を償ってもらいたいです。

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私の心に引っかかったのは、遼太さんが小学3年生の時、母親が5人の子ども引き取って離婚しているということです。
キーワードは「5人の子ども」(性暴力による望まない妊娠)。「離婚」(DVがあったのでは?)、この二つです。

子どもが怪我をし目の周りを真黒にしても、額に生々しい傷があっても病院へも連れて行かず、警察へも届けず、誰にも相談せず、学校からの先生からの再三の連絡(訪問5回、電話33回)をも拒否する。
子どもが夜遊びをし、怪我を負い何日も帰宅しない状態でも捜索願も出さず放置する。

「親はどうしちゃったの?」

夫からのDVがあったと聞いて、私の頭の中のパズルがピッタとはまったのです。
以下は私の仮説です。

<DV被害者の母親>
息子の遼太さんの怪我したどす黒い眼をみて、お母さんは「フラッシュバックで固まり動けなかった」のではないか。
トラウマが甦り、「思考停止」に陥ってしまったのではないか。
気丈と見えたのは「乖離」しているから。
「誰にも分かってもらえない」「誰も信用できない」という「人間不信」があり、「自己防衛」のため、誰にも相談せず、先生のことも拒否してしまったのではないか。
息子の苦境に際し、お母さんは自分のことで精いっぱいで、最大限の【親として子どもの安全を守る】配慮を持てなかったのだと思われます。

5人の子どもを育てるため、昼夜たがわず働き続け、夕食を菓子パンにせざるを得ない貧困と、時間に余裕がない過労状態にあり、正常な判断ができなかった。中学1年生の息子に「夜遊び止めなさい」と制止しなければならなかった親として機能を果たせなかった。
ネグレクトと非難する向きもありますが、DV被害を受けた結果、お母さんのこのような状態は、【 異常な状態における正常な反応 】と言えます。

お母さんのとった行動は、結果的には親として褒められるものではないけれど、夫からDV被害にあっていたからこその結果であり、責めないでほしいと思います。お母さん一人に責任があるわけではありません。
遼太さんが明るく優しい良い子に育ち、みんなに慕われていたのは、一生懸命に働くお母さんの姿を見て育ったからだと思います。

島根県の隠岐諸島の西ノ島から神奈川県川崎市へ移り住み、自然に恵まれ人情が厚い島から都会へと環境が激変し、こころ淋しく、その心の隙間につけ入ってきたのが非行少年たちだったのでしょう。
「万引きしてこい!」「けんかしろ!」と命令され、不良グループを抜けようとして散々暴行を受け、そして起きた不条理極まる凄惨な中学生殺人事件です。

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「父親は何をしてるの?」

<DV加害者の父親>
DV父親は息子の上村遼太さんを見殺しにしたと言ってもよいでしょう。
DV男たちは子どもに対して無関心です。ほとんどのDV男は別れた妻子を見捨て、養育費を払いません。
このような究極の悲しい息子の死を無視し、遼太さんに手を合わせにも行かない。
DV被害を受けた母子にとっては父親と呼べないのがDV男たちです。
遼太さんの父親は「全く親の責任を果たさない」、自分さえ気楽に暮らせればいいという、「自己愛性人格障害」ともいわれる自己中DV男なのです。
DV男たちは父親としては毒親です。
DV家庭は子どもにとっては虐待環境(子どもの虐待防止法)であり、機能不全家庭です。

遼太さんの父親は、「母親の子育てが悪いからこうなったんだよ」と、責任を全部お母さんにかぶせ、自分は平気で海釣りを楽しんでるのかと想像してしまいます。

子どもは親を選べないのです。子どもはどんな親でも親しか頼ることができないのです。

遼太さんが発信していたSOSに、周りの大人たち(親・学校・警察・地域)が早くに気が付いていたら、遼太さんの命は救えたでしょう。大人の無関心、たいしたことないと見過ごすたびに、友達にいじめられたり、親に虐待されたりしている子どもたちの命が失われていくのです。
私たちは大人はアンテナを張り、こどものSOSをキャッチし、子どもを守り育てることこそ、大人の責任なのではないでしょうか。

三船美佳さん、高橋ジョージさんのモラハラ離婚裁判と同じように、マスコミが「中学一年生殺人事件」が起こった悲劇の根っこに「DVがあった」ということを、DVがどんなに妻や子どもたち、その家庭を破壊する暴力か、広く広く社会に知らしめてほしいと思います。

上村遼太さんのご冥福をお祈りします。

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DVについては私のHP、【マリコのかけ込み部屋】をお読みください。
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2015-03-06 18:05 | カテゴリ:子供の虐待