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みなさん。こんにちは。

あと、半日余りで除夜の鐘ですね。私は年賀状をこれから書きます。

下の写真は、1万歩、歩いて帰る途中、今日の午後4時40分、日没寸前の空のピンクがあまりに美しく、スマホで撮ったものです。

北国秋田の雪のない大晦日の一瞬の夕暮れ風景です。

明日は、このまま雪のないお正月を迎えることができるのでしょうか?

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今日も、またまた、上野千鶴子さんの講演の続きを書きます。もうあきたと言わず読んでくださいね。

<優者劣敗>「頑張ればできる」と教育された若者は、勝者は自分に能力と努力があったからと思い、敗者は自分のせいと自らを責めメンタル系を病み、女性は自傷・食べ吐き、男性は対人恐怖・ひきこもりになるのです。

『勝間さん、努力で幸せになれますか』これは、カツマーこと勝間和代さん(ネオリベ女)とカヤマーこと香山リカさん(メンヘル女)が、アエラ誌上で激突した対談をまとめた本です。
「努力は報われる」→Yes?No? 「負け組は当然の報いか」→Yes?No?
誰もが、社会的弱者になる可能性を持つ時代です。

「当事者とは誰か分かりますか?」突然上野さんは会場に問いかけた。『当事者主権』中西庄司・上野千鶴子共著(岩波新書)を私は読んでいた。会場は沈黙した。「当事者主権は上野の造語です」。

そうだったのか、当事者主義とか当事者主権ということばは日常化されてて、便利に使っていましたが、上野さんのお蔭だったのかと感謝でした。言葉が現実を作るのですから。「はじめに言葉ありき」です。

当事者主権とは女性・子ども・障害者・高齢者である当事者運動→社会的弱者の自己定義権の要求なのです。
当事者能力を最も奪われてきた人が「自分のことは自分が決める」ということです。

弱者がつながる。弱者が支え合う。人持ちになる。人間関係を作る。女性センター。ネットワーク。地域ユニオン。女性ユニオン。テンパらない。壊れない。ひとりで抱え込まない。サステイナブル(持続)よりサバイバル!です。と、上野さんが仰った。

ひとりぼっちにならないことが大事だとカウンセラーの私も考えています。相談を受けながら、孤立している人がいかに多いか実感しています。だから、諦めないで、何処かと誰かとつながってほしいと切実に願っています。

上野さんは、「在宅ひとり死」について、もし要介護状態になっても、そのまま一人暮らしの家で死んでいくことができないだろうか?と考えたことをきっかけに、『小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』上野千鶴子・小笠原文雄共著(朝日新聞社)を書かれたとのことでした。

ある訃報が届きました。享年57歳。チームK(30人の女性がメーリングリストに参加)を作り、一人暮らしの女性を看取ったと上野さんが話し始めると、私は、その女性が竹村和子さんであり、チームKとは河野喜代美さんが中心になって、竹村さんに何とか力になりたいと協力した女性のネットワークであること、今日、12月14日は、竹村和子さんが亡くなってから、丁度2周忌に当たることに気づいたのでした。

私は前記のホームページ「WAN」で竹村和子さんが2011年12月13日に亡くなられたことを知りました。病に負けじと自らを奮い立たせていた竹村さん。竹村さんはポスト・フェミニズム運動の希望の星でした。私たちの足元を照らしてくれるはずの、その星が突然目の前からポンと消えて。。。涙。。。とても惜しい人を失ってしまいました。

竹村和子さん(お茶の水女子大学院教授)との初めての出会いは、10年以上前の日本フェミニストカウンセリング学会のジェンダー論講座でした。竹村さんの講義はバトラーの『ジェンダートラブル』。とても難解でかつ刺激的でした。その日の竹村さんは色白でメガネをかけ、黒シャツに黒の細いパンツという、黒づくめの服装をされてたのを覚えています。

『ジェンダートラブル』ジュディス・バトラー著 竹村和子訳(靑土社)本の赤い帯に「権力はいかに言説のかたちをとって 身体・精神・欲望を形成するのか。~女と男の弁別が身体の自然に根ざすとする本質論的前提を根底的にくつがえし、セクシュアリティ研究の方向を決定づけるフェミニズム/現代思想の最重要書~」と書かれています。

『フェミニズム』(岩波書店)『愛について~アイデンティティと欲望の政治学』(岩波書店)『アンティゴネーの主張~問い直される親族関係~』(靑土社)『ポスト・フェミニズム入門~イラスト図解~』『ジュデイス・バトラー』等、当時の私には難解でしたが、分からなくても兎に角読み続けました。私は世の中の現実をちゃんと見てるのだろうか?本を読む動機に焦燥感と不安がありました。この状態は現在に至っても続いています。

亡くなられてから、手にしたのは『彼女は何を視ているのか~映像表象と欲望の深層~』竹村和子著(作品社)という分厚い1冊です。
この本に挟まれていた付録が『竹村和子さんと<チームK(和子)>』でした。私は改めて竹村さんを惜しみ、また恩師河野貴代美先生の優しさに触れ、涙したのでした。

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上野さんは最初に高村薫さんの著書『神の火』上下巻と『新リヤ王』上下巻を紹介、このままでは第二、第三の福島が生まれると話され、最後の部分で★『原発を止める人々 3・11から官邸まで』小熊英二著(文芸春秋社)を紹介されました。

★後日、上野さんは『みすず』読書アンケート特集(2014年1/2月合併号)で、推薦しております。
 小熊英二『原発を止める人々–3.11から官邸前まで』文藝春秋、2013年
あいかわらず読み続けている原発関連図書では、本書がイチオシ。著者は「いま日本で原発は止まっている」、止めたのは私たちで、その奇跡を私たちは理解していない、と言う。
(ちづこのブログNo63から引用 WANサイト掲載←『DV・マリコのかけ込み部屋』リンク先に紹介してます。ご参照ください。

2011年、「中央公論」誌上で「夢の憲法前文を作ろう」「私たちが書く憲法前文」に応募し、最優秀賞に選ばれた17歳の女子高校生の福岡亜也子さんを紹介して、私たちの未来の生き方を指し示していると結んで講演は終わりました。
福岡亜也子さんが書いた「日本国憲法の夢の前文」をここに載せますね。

私たちみんなが過剰過ぎず、ほどよくゆっくりと生きられたら、どんなにいい世の中になることでしょう。

『私たちが書く憲法前文』大塚英志(編・監修)角川書店

〔 ほどよい速度で、深い人生を。〕 福岡亜也子

  全くもってタイシタコトのない
  世界的にみてソコソコの国がいい。
 (略)
  世界なんていう単位で
  立派で一番!になる必要はあるのか。
  私たちから見て一番幸せになれる国。
  そうなる必要は大いに
  有。

  景気ばっかりよくって
  高ーい車買って
  宝石ジャラジャラつけたくって
  そんな
  目や手や
  そんな物で感じる幸せは
  ソコソコあれば十分。
  タイシタコトない平凡な国がいい。
  穏やかに過ぎる時に
  心で幸せを感じられるから。

なお、「WAN」のトップページには【特集 竹村和子さんへの想い】が、竹村さんのお写真と一緒に掲載されてます。
ご覧いただければ竹村さんへの追悼になると思います。

私は前記の上野さんの本にサインを書いていただきながら、「さっきのお話は竹村さんのことですよね。チームKは河野先生が・・・」と言うと、私のホームページの紹介チラシに目を走らせ、「フェミニストカウンセラーなのですね。河野先生をご存知ですか?」と上野さんに訊かれて、「はい」と答えると、「後でHP見ますね。WANに無料登録していいですよ」と笑顔で言われたのでした。上野さん、ほんとうに、どうもありがとうございます。

長い長い日記に付き合って、貴重な時間を割いて読んでいただいたみなさんにも感謝です。
講演内容は、私のメモと記憶に基づいて書いていますので、十分なものではないことを付記します。
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2013-12-31 10:34 | カテゴリ:女性学