みなさん。こんにちは。

今日は、昨日に引き続き、上野千鶴子さんの講演【 世直し 女の出番 】の内容と私の感想を書きます。

上野さんは会場の女性たちを笑かしながら、中身はばっちり女性学でした。
女性の参政権獲得に奔走した市川房江さん・山川菊枝さんからはじまり、
1946年改正憲法公布・終戦直後にできた、連合国軍総司令部(GHQ)民生局の一員として、日本国憲法の起草に携わり、憲法24条の「男女平等」条項を書いた米国女性ベアテ・シロタ・ゴートンさんが、本当に日本の女性のため力を尽くされたことにも触れられました。

1989年7月の参院選「マドンナ選挙」。土井社会党(委員長土井たか子さん)が「やるっきゃない」と大量の女性を送り込み「マドンナ旋風」が起こり、自民党に大逆転勝利したことは、私も忘れられません。
当時、私は土井たか子さんを囲むパーティで、青いスーツを着た背の高いおたかさんと握手した感激も忘れられません。今も、カードケースには青いスーツの土井さんのテレフォンカードが未使用のまま入っています。

1960年・1970年代は、欧米と日本のウーマンリヴ運動(女性解放運動)が盛り上がった時代でした。上野さんは、田中美津さん(著書『いのちの女たちへ~とり乱しウーマン・リブ論~』(パンドラ2001年刊)に触れ、(上野千鶴子さんと田中美津さんの共著:対談『美津と千鶴子のこんとんとんからり』(木犀社1987年刊)があります。)日本では、政治的平等・社会的平等がいつまでたっても達成されない。日本には強固な「メンズクラブ」があるからですねとシニカルに笑われました。

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私はテレビをつけると、カラスの如き黒い軍団の映像で溢れる画面に辟易。今やお笑い芸人まで黒いスーツを着込み黒いカラス軍団になって「嫁が、嫁が」と連発している様を、とても不愉快に思っています。

世界経済フォーラム(WEF)が、10月出した『国際男女格差レポート(The Global Gender Gap Report)』の2013年版では日本は調査対象136カ国中、105位です。前年よりランクが4つ下がりました。先進国中、最低ランクです。
この調査は、世界人口の約93%をカバーしてます。

【調査対象項目】
経済活動への参加 ➡ 給与差、参加の度合い、専門職での雇用など
教   育 ➡ 初等教育から高等教育までの就学状況など
健康と生存 ➡ 寿命の男女比
政   治 ➡ 政策決定機関への参加

日本女性が成績が良いのは、「健康と生存」くらいですね。

上野さんは女性閣僚の割合が俄然低いのです。特に地方議員である県と市が増えない。なぜ増えないかと言えば、立候補する女性が居ないからです。余りの明快さに、私はギャフンでした。

言い古されたことばですが「戦後、女性と靴下は強くなった」と言われていますが、日本女性は、なぜこうも自信を失ってしまったのでしょうか。

私が、その要因の一つとして考えるのは、DV夫が「お前は能力がない!」「何をやってもダメな女だ!」と脅し貶めることで、妻を洗脳し、自信を奪うのだが、女性が歴史的にも長きに亘って、二流と決めつけられ、責任ある仕事を持つことができない社会状況に追い込められ、自信を奪われてきたことにより、女性が積極的にリーダーシップをもって、社会貢献することを躊躇させられているのではないでしょうか。

また、もう一つの重要な要因としては、日本では、「メンズクラブ」が政治的に働こうとする女性を排除するシステム持っているからだと考えます。

極めつけは、結婚こそ女の幸せ、あらゆる手を使って女性を結婚へ誘い込み、ケア役割に徹するよう仕向ける日本社会の雰囲気があります。女は天下国家を論ずるより、温かい家庭を作るのが幸せへの道だという、日本の国家政策は今のところ成功していますね。

上野さんは集票マシンは男は実弾(金)、女にあるのは家族票だと言われました。
女は実弾を持ってません。世界の富の99%が男性が所有してるという調査結果があります。

【女子差別撤廃条約=(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)】(1979年国連総会で採択)においては、「締約国は女性差別を非難し、女性差別をなくす政策を取る義務」を負うとされています。条約は今まで社会の中で形成されてきた慣習や慣行をなくすために、男女の社会的、文化的行動様式をなおしていくことを義務づけました。

日本は「女子差別撤廃条約」へ1980年署名、1985年批准しました。
国際条約は日本国憲法及びすべての国内法の上位に位置づけられています。国際条約を批准したということは、国際条約を守らなければならないということです。
外圧により、日本政府はようやく、1999年「男女共同参画基本法」を制定、施行しました。しかし日本は2003年から2009年まで何にもしなかったのです。

私は埼玉県嵐山町にある日本女性教育会館(ヌエック)で、国際女性の地位協会 JAIWR(Japanese Association of International Women's Rights)の山下泰子さん、永野洋子さんたちの「日本政府が国連の場でどういう残念な行動をとっているか」という報告を聴き「日本政府のやる気のなさ」に呆れていたのです。

日本では、この条約に基づき1985年「男女雇用機会均等法」が制定されました。
1995年には改正派遣事業法、パートタイム法が制定され、労働者の3分の1が非正規労働者で占められ、女性労働者の70%が非正規で働いています。

日本の単身女性の3人に1人が貧困だといわれてます。働いても食えない状況があるのです。
日本のジェンダー平等はいつになったら達成できるのでしょうか?

阿倍晋三政権は2020年までに女性を30%活用すると公表しています。(ここで、森崎和江さんにも触れられました。)
目標を画餅に帰すことなくほんとうに実行してほしいものです。

女子差別撤廃条約を日本が批准することを悲願として奔走された市川房江さんは、「女子差別撤廃条約の内容が実現すれば、女性問題は解決する」と口ぐせのように言って居られたのですが、日本政府が署名した7か月後、88歳の生涯を終えられました。市川さんの柩には「女子差別撤廃条約」が収められました。

・・・ 追 悼 ・・・
ベアテさんの著書、『1945年のクリスマス~日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝~』(柏書房1995年刊)や、映画『ベアテの贈り物』や演劇『真珠の首飾り』など、ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
ベアテさんは親日家で何度も日本を訪れ、秋田へも2度ほど講演にお出でになっています。残念ながら2012年12月30日、すい臓がんのため亡くなりました。89歳でした。
日本女性の大恩人です。改めて、感謝を込めて、ご冥福をお祈りします。

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日本国憲法第24条 【家族生活における個人の尊厳と両性の平等】
① 婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。


☆☆☆ 注 ☆☆☆
日本においては、ウーマン・リブというと、テレビ画面を賑わした、ピンク・ヘルメットにピンクの制服を着た榎本美沙子さんが率いるデモ軍団を、思い出す人も多いのではないでしょうか?しかし、これはウーマン・リブとは別物です。田中美津さんたちのウーマンリブ運動(女性解放)とは規を一つにできるものではなかったのです。避妊薬ピルを配っていて、その背景に製薬会社の存在があったと言われています。

***参考文献***
『Q&Aで学ぶ 女性差別撤廃条約と選択議定書』 堀口悦子・米田真澄編著(明石書店)¥1100+税←基礎知識が非常にわかりやすく書かれています。お勧めです。
『やさしく学ぼう女性の権利~女性差別撤廃条約と選択議定書~』国際女性の地位協会(尚学社)
『フェミニズム国際法学の構築』山下泰子・植野妙実子 編著(中央大学出版部)
『地図でみる・・・世界の女性(THE ATLAS OF WOMEN AN ECONOMIC, SOCIAL AND POLITICAL SURVEY)]』ジョニー・シーガー著 原民子・木村くに子・堀口悦子訳 (明石書店)
 続く
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2013-12-30 15:36 | カテゴリ:女性学