【子どもの貧困対策法】成立→「貧困の連鎖」ストップへ

今、なぜこのような子どもの貧困対策が必要なのでしょうか?
この大きな原因に、2010年総務省「国勢調査」によると、年少人口割合(0~14歳、13,2%)が急激に減り、逆に高齢者人口(65歳以上、23,0%)と激増している状況があります。
子どもは成長し、やがてこの社会を作っていくという、重要な役割を担っています。

今までは、選挙権のある高齢者へ向けて様々な施策が進められてきました。子どもへの施策はというと、「少子化対策」のため、「婚活」が行政の肝いりで進められています。保育所は依然として足りない状態です。子どもの数だけにこだわり、生まれてきた子どもが、「一人の人間として健全に育つための環境」には、殆ど関心が払われてこなかったといえるでしょう。

貧困家庭に育つ子供たちは様々な困難を抱えさせられています。経済的理由で進学を諦めたり、児童虐待被害にあったり、不登校や高校中退の割合も高いのです。

信じられないかも知れませんが、食事が満足に取れず、低栄養になっている子どもたちがいます。
特に注意が必要なのは、赤ちゃんは脳が未完成のまま生まれてきます。誕生後の栄養の欠如や刺激の欠如や環境によって、乳幼児の脳の発達が阻害される場合があるということです。この時期を逃し、後に栄養を与えても脳の発達の遅れは回復できないのです。

また、乳幼児期に、誰かと「愛着」関係をもつことができないと、無表情になり、自信(自尊心)や他人への信頼感をもつことが難しくなるといわれてます。
乳幼児期には、○○ちゃんと呼びかけられたり、抱っこされてお互いの眼を見つめ合ったり、人の体温の温かさをに実感できる環境が絶対必要なのです。

2010年「子ども・若者白書」によると、経済的理由で就学援助を受けている小中学生は155万人いることが分かっています。
「親は何しているの?親の努力が足りないんじゃないの」「子どものために、もっと必死に働くべきよ」「貧困は自己責任だ」と、批判が出ることが多いのですが、ここで考えてみてください。

例えば、イス取りゲームのことを想像してみてください。真ん中にあるのはイス1個、周りにいる人たちは、生活環境に恵まれ教育を受けた人たち100人。どんなに努力しても、イスは1つなのですから99人の人たちがイスから滑り落ちることになりますね。
イス取りゲームの輪の周りには、20人のイス取りゲームにチャレンジさえできない人たちが居るのです。
イス取りゲームにチャレンジできる人たち全部が「自助努力をし、自己責任」をもったから参加できたのでしょうか?ご自分の周りの大人たちはどうでしょうか?。
医者の子は医者に、先生の子は先生に、政治家の子は政治家に、親の七光りともいう経済基盤が背景に盤石にあるからですね。

貧困や虐待を受け、教育の機会を得ることができなかった子どもの多くは、イス取りゲームにも参加できないのです。
子どもは生まれる親および家を選べないのです。「それは貧乏な家に生まれたから仕方ないよ。貧しい家に生まれても、出世する大人はいる。努力が足りないんだよ」確かにそういう人も稀にいますね。しかし、子どもの貧困は親が低所得者であり貧困だからですね。

親が貧困は親の自助努力が足りないからと、305万人の子どもを放って置いていいと思いますか?貧困家庭では、殆どの親が働いています。中には仕事を2つも3つも掛け持ちして、身を粉にして働いてる親も多いのです。
それにも関わらず、「働けど 働けど わが暮らし楽にならず じっと手を見る(石川啄木)」日が続いているのです。派遣労働・パート労働が増え、正規雇用は大卒でも困難な時代、学歴のない人にとっては尚更です。

子どもの貧困が子どもへ最も影響を与えている分野は次のどれでしょう?
1)衣食住 2)教育 3)医療 4)心理 5)文化 6)その他
正解は1、教育 2、心理 3、衣食住 4、医療 5、その他 となっています。

日本は「家庭教育費は自己負担」が当然の国です。
教育費の公的支出は先進国、国内総生産〔GDP〕に占める公的教育支出は30か国中、最低です。ノルウエーの約3分の1、デンマーク等北欧諸国の約2分の1、フランス、アメリカ、イギリスも日本の公的教育支出の倍近いのです。

2013-12-181
(出典)OECD(2011),Education at a glance 2011

***「子どもの貧困」の問題点***
子ども時代の貧困は、子どもにとっては成育環境として非常に不利です。子ども時代の貧困は、その子の一生を左右しかねない深刻な問題なのです。

【貧困による負の連鎖】
*【生まれた家庭の貧困】→親が低所得・親がワーキングプア・親の心身の病気
・社会から孤立・不十分な育児・ネグレクト・虐待
*【子ども時代 の 貧困】→教育の機会の不平等・低学力・不登校・中退・いじめ
*【 青 年 期 の 貧 困 】→低賃金の労働(派遣・パート・アルバイト)
・ワーキングプア・無職・病気・ひきこもり

日本は所得再分配後、より所得が低くなるという先進国の中で唯一の不思議な国です。
消費税が10%になれば、手取り年間収入200万円の人は消費税だけで、20万円。残り180万円で暮らさなければなりません。
手取り年間所得1000万円の人が10%消費税がかかったとしても、残り900万で暮らせます。
消費税導入がされることになりましたが、今後、生活格差はさらに拡大するでしょう。

日本は憲法25条において、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利がある」と定めている福祉国家です。
福祉国家であることを憲法に明記してるのは、世界中で日本だけなのです。しかし、この度の国会混乱の中で、12月6日生活保護法改悪が抜け目なく成立したのです。

日本では、生活保護以下の生活費で暮らす、ワーキングプアが400万人いると、厚生省でも見ています。しかし、生活保護を受けている215万の人の生活費を削って、悪平等を図ろうとしているのです。
600万人に及ぶ人たちが、カツカツの経済的に苦しい状況(貧困)におかれることになります。
子どもたちの貧困度はさらに厳しいものになるでしょう。
この親自身が貧困に晒されてる状況において、(1)に述べた、「子どもの権利条約」を日本は遵守できるのでしょうか?「子どもの貧困対策法」は機能するのでしょうか?非常に疑問です。
      
2013-12-182.jpg
このグラフは木島祥司氏のフェイスブックに掲載されたものです。
(注意 グラフの見方)*濃い緑が再分配後 *黄緑に赤い矢印が入った方が再分配前 です。

*****ミニ知識*****
【富の再配分とは?】
所得から・所得税★消費税、年金・健康保険・介護保険を取った後、税金(高額所得者は累進課税)で、社会保障(年金・障害年金・児童手当等)などにより、社会に還元することをいう。富の再配分をすることで、貧富の差を緩和させ、社会的な公平と活力をもたらすための経済政策の一つです。
続く
スポンサーサイト

2013-12-17 16:20 | カテゴリ:子供の虐待