9月6日(土)、午後秋田放送大学秋田学習センター主催の「秋田学びの旅」プロジェクト(チラシ参照・クリックし拡大してごらんください・募集中・一般参加可能)である、第1回目の『小坂鉱山~秋田の誇るハイテクノロジーの今昔~』(秋田大学国際資源学部・柴山敦先生)を受講してきました。

続く9月7日(日)<現地フイールド学習>【小坂町】あきたエコタウンセンター→小坂鉱山製錬所→小坂町立総合博物館見学へ行ってきました。残念ながら小坂鉱山製錬所は土・日休日のため外からのみの見学となりました。

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講座が行われた明徳館カレッジプラザです。

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『都市鉱山』(1980年代、南條道夫東北大学選鉱製錬研究所教授による造語)という言葉は初耳でした。「環境リサイクル」は重要と常日頃思っていたのに、『都市鉱山』という言葉がスポッと抜け落ちていました。「言葉が現実を構成する」のですから、携帯・自動車・家電製品等、都市でゴミとして廃棄されているハイテク製品が新たな貴金属類を回収できるという知識をテレビ等で得ながら、認識は非常に甘かったといえます。

廃棄されてるハイテク製品が金・銀・銅・レアメタルを豊富に埋蔵する新たな鉱山『都市鉱山』であること、実際の鉱山より産出量がはるかに多いと知り、驚いてしまいました。ハイテクゴミは宝の山なんですね。

柴山敦先生が講義中です。画像が見にくくて申し訳ありませんm(__)m。

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複合リサイクル製錬フロー図です。自席から写真を撮ることに限界があり、ぼんやりした図になってしまいました。講座の雰囲気を解っていただけたらと思い、まずい映像ですがアップしてます。私が全くというほど普段関わってない内容の講座でしたが非常に興味深く刺激的でもありました。

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9月7日(日)、お天気は晴れ。朝8時出発。2階建てバス?かなと思うくらいの大型バス、パープル色も素敵です。この色だと「わがバスはいずこ?」と迷うこともなくて安心ですね。50人乗りのバスに24人が乗って、ゆったりと小坂へ向かいました。

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秋の実り直前の田んぼが続く秋田平野。

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到着しました。<ホテル小坂ゴールドパレス>。ここで無料コーヒーサービスがあり、ラウンジで夫々ゆったりと休憩をとりました。

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昼食のため外へ出ると雨。でも大丈夫、屋根がついていましたから。<レストラン古銅館>建物の外観は素敵ですね。中は普通のレストランでした。

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レストランお勧めのメニューは?「黒鉱カレー」と「黒鉱オムライス」どちらも¥1080円也。黒鉱に見立てるために、私が予想した通り「イカ墨」を使っていました。「お味は?」「う~ん・どちらもイマイチ」でした。量的にも男子にとっては少なかったのではないかなと思います。ここでも無料でコーヒーが提供されていました。

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屋根の下を通って博物館へ。後ろのオフホワイトの建物はホテルです。

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あきたエコタウンセンターへ。

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中へ入ると、鉱石がずらりと並べられ、<秋田の資源エネルギー>「秋田の鉱山の歴史とエコタウンの取り組み」「秋田県の資源・エネルギー」「秋田の自然環境」秋田県環境・リサイクル技術」「近代化産業遺産群」等が掲示されていました。

【小坂鉱山の歴史】  (参考資料 柴山敦先生のプリント)
明治元年(1869ねん)南部藩→官営へ。
明治17年(1884年)藤田組(現DOWAホールディングス)へ払い下げられる。
明治34年(1901年)銀の生産高全国一(残念にも30年で急減する)
その前後から、「黒鉱」の採掘、生産を主体とするようになる。
明治33年(1900年)、世界初の黒鉱自熔炉製錬に成功。
明治40年(1907年)には鉱産額日本一を記録。
秋田県小坂鉱山は栃木県の足尾鉱山、愛媛県の別子鉱山と並び日本三大銅山と称されていました。

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ここで座学。廻されてきた透明のガラス瓶(インスタントコーヒー中ビンの大きさ)にハイテク機器が1㎝以下に細かく破砕されたものが入っていました。これこそ【都市鉱山資源】なんですね。うっかり撮影をしなかったのが残念。

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再びバスへ乗りこむ。途中でバスガイドさんが「ここが映画『人間の條件』を撮影した場所です」。植樹される前の風景はハゲ山で中国の風景と酷似していたとのことでした。座ってる座席と反対方向なので、ようやく撮った中の一枚です。監督小林正樹 主演仲代達也 その他新玉美千代、有馬稲子、木村功等出演。 『人間の條件』五味川純平著、夢中で読みましたね。強烈な反戦映画です。

参考まで載せます。よかったらごらんください。
YouTube http://www.youtube.com/watch?v=uYYHlKZlNkk 『人間の條件』 映画公開50周年トレーラー (松竹チャンネル)

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クリックし拡大してごらんください。
現在は植樹(12種類の木)され、緑豊かな大地に見えますが、一帯が黒鉱のボタ山だったのですね。12種類の木のうち一番繁殖力が強いのがアカシヤであり、緑の多くがニセアカシヤだということでした。DOWAでは、環境緑化のため資金20億円を提供、市民とともに緑化に努め、緑豊かな自然に包まれた小坂町をつくることができたのだそうです。
画面に見えるのは、小坂製錬所です。

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現在の鉱山事務所。
秋田金属リサイクルネットワークは小坂製錬株式会社のほか株式会社エコリサイクル、エコシステム秋田(株)、オートリサイクル秋田(株)、グリーンフイル小坂(株)、他等あります。
使われなくなったテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、携帯電話、工場から出た金属片、自動車などのリサイクル原料は、夫々の役割を担う会社や工場へ集められ、分解(手作業が多い)、破砕処理されます。
このうち金属が含まれる部分が小坂製錬(株)へ運び込まれ、溶かされ、さまざまな金属へと生まれ変わるのです。
(『未来型リサイクル、ガイドブック「都市鉱山」を探検する!』参照、P26引用)

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小坂鉱山は2006年完全閉山されました。当時の黒鉱の優れた製錬技術が『都市鉱山』から金銀銅、レアメタル等を製錬する技術に生かされてるのですね。秋田県小坂はカナダ、ベルギーに並ぶ世界三大「都市鉱山」なのだそうです。小さな町の壮大な計画、都市で廃棄されるハイテクゴミを精錬し金銀銅を作り出す、これこそ21世紀の錬金術ではないかと思います。

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2008年4月稼働を始めた小坂製錬の新型炉(TSL炉)です。新型炉はリサイクル原料から銅や鉛のようなベースメタルや金や銀などの貴金属、セレンやアンチモンなどの多くのレアメタルを回収できるシステムになっています。
走るバスからのこの一枚が撮れていたのはラッキーでした。(クリックして拡大してごらんください。)

【現在の小坂製錬】についても少し。(参照 柴山敦先生プリント)
小坂製錬はそれまでの黒鉱製錬をやめて、現在は廃電子基板やスクラップ類のリサイクル原料を対象とする金属リサイクル製錬業をしています。
年間生産量(DOWA・HPより引用)
金(6t)銀(500t)銅(10,000t)鉛(25,000t)スズ(700t)アンチモン(500t)ビスマス(200t)

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昔のままの工場。赤レンガ造りがシックですね。明治時代から現在に至るまで銅の電気分解工場として使用されてます。

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小坂鉱山が栄えていたころ、ここは銀座街だったそうです。往時を偲ぶものは今はなく・・・ですね。当時人口4万と言われ秋田市より多かったとのことです。

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小坂鉱山事務所の脇にある門。奥の方にある白い建物は小坂鉱山病院記念塔(元霊安室)です。

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小坂鉱山事務所の正門を入ったところで、小坂鉱山事務所を見上げ、眺めてる夫婦像。

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バルコニーが張り出している白亜のルネッサンス風の小坂鉱山事務所。明治38年(1905年)に建設された洋館です。平成9年(1997年)まで事務所として使われていました。
小坂製錬工場増築のため、現在地に移転復元され、2002年、康楽館とともに国の重要文化財に指定されています。

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玄関ホールに入るとすぐらせん階段が、その美しさにパチリ。3階まで写真を3枚を繋げてみました(^^)/。(注・吹き抜けにはなっていません。)

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係りの男性が「屋根(杉板菱ぶき)」も「上げ下げ窓は左右にバランサーが入っており(開けたら好きなところでガラス戸を止めることができる)特殊な造りになっている」と説明していました。はるか向こうに康楽館が見えます。

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藤田組、「藤」の花と漢字の「田」を組み合わせたベランダの美しい飾り欄間。

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3階から見下ろした2階に作られてる中庭。

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写真向かって左下が「藤田伝三郎(1841-1912)」藤田組の創設者。藤田組は現在DOWAとなっています。

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藤田組のマーク。

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ひゃ~!金の延べ棒(金イゴット)。1本○千万円? 「1本もらったら何をする?」「もちろん○○ルターを作ります!」夢ですね~。

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社長の机。机上には革が張られている、堂々たる机。実際は、この倍の大きさの机を使っていたのですが、敗戦後、JHQに没収され、行方しらずとのことでした。

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応接室でしょうか?商談がここで交わされたのでしょう。優雅な調度品ですね。

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小坂鉱山病院は明治41年(1908年)に竣工、内科、外科、眼科、耳鼻咽頭科、歯科、産科、産婦人科をもつ秋田県第一の総合病院として開設され、鉱山従業員のみならず地域住民の医療施設として大きな役割を果たしました。このルネッサンス風華麗な病院は残念なことに昭和24年(1949年)に焼失してしまいました。

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足元の床には小坂町全域の航空写真が印刷されていました。この写真は小坂製錬所です。

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小坂町立博物館・郷土館には小坂鉱山の歴史や鉱石等が展示されています。

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小坂のスター鉱石【黒鉱】
*秋田県北部(大館市~小坂町中心)には【黒鉱】と呼ばれる銅、亜鉛、鉛、金、銀などを含む世界的に有名な鉱石が産出し(鉱床が点在)、それに伴う鉱山、金属精錬業が隆盛を極めていた。

*複雑な鉱石成分から金属成分を分離、選別、濃縮、精製する技術を生み出し、その高度化を成し遂げた。

*鉱山業が必ず向き合う環境との調和、排水、排ガス処理、土壌浄化など環境対策が大きく進歩した。(柴山敦先生プリントより引用)

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鉱山が栄えていたころの街の様子。

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黒鉱坑内で厳しい採掘労働に従事している男女の様子。

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元山坑内支柱模型。この模型は明治43年(1910年)ロンドン博覧会へ出品するため作成されたものです。

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博物館の脇に、復元された小さな旧小坂駅がありました。小坂鉄道は明治42年(1909年)、小坂製錬の貨物輸送用としてはじまり、その後市民の足として使用されましたが、現在は廃線になっています。当時の機関車(三重連)とともに鉄道遺産に指定されてるそうです。

現在は小坂鉄道線路と設備を修復し、<見て・学んで・体験できる>レール遊びの複合施設として。2014年6月オープンしております。

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杉林や杉山を後にして帰路へ着く。

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鷹巣大太鼓館。

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帰りは鷹巣道の駅(大太鼓の里・物産館)へ寄り、多くの参加者が、あの有名な甘~い「だけのきみ」(とうもろこし)を買いました。私は茹でてあるものを5本で¥540円で買いました。

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バス停に月(9月7日)が。明日は十五夜です。
光り輝く満月スーパームーン(月が地球に接近して普段より明るく大きく見える満月)は9月9日(今年最後)でした。

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2014-09-17 09:20 | カテゴリ:秋田学びの旅
草間彌生展が秋田県立美術館とアトリオンにある千秋美術館で7月11日から9月7日まで開催されました。私は最終日の前日、6日(土)に行ってきました。会場には驚くほどたくさんの人が訪れていました。

秋田県立美術館には、草間彌生さんの前期作品である絵画の小品から大作、「無限の網」や「鏡の上に建てた白い梯子が地の底にどこまでも続く無限の白い階段」や「柔らかい布で無数に作られた男根のぬいぐるみでできてる舟と櫂(私の不安がこの船の中に乗ることで解消された)」等が展示されてました。
写真撮影はできなかったので、ここに紹介できないのですが、草間さんの湧き立つ命のエネルギーそのものが伝わってくる作品群でした。

また、会場のビデオでは、ニューヨークにおいて果敢に「ベトナム戦争反対」デモをしているエネルギッシュな若かりし頃の草間さんやアトリエで大きな絵(100枚)を書いて居られる現在の草間さんや『永遠の永遠の永遠』の詩を朗読されるお姿が流されていました。草間さんにいつまでもお元気でいてほしいと思いました。展覧会の全てが素晴らしかったです。

私は2004年、草間彌生展が森美術館(東京)で開催された折に観ていました。今回も、その爆発するエネルギーに直撃され、圧倒されてしまい、何とも言えない疲労感に襲われました。
私は上京し時間があるとよく渋谷の文化村へ行くのですが、文化村でもかなり長い間、草間彌生小展示会(無料)がありました。

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秋田県立美術館入口、内部に展示されているシンボルの巨大かぼちゃ。秋田市外旭川サテライトクリニックの屋根の上にも同じ大きなかぼちゃが乗かっています。どういう経緯でここに?もう10年以上前からあります。
(☆水玉のかぼちゃは外旭川サテライトクリニックから移動、展示されていたものと分かりました。)

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アトリオンの展示会において。

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2014-09-09 07:38 | カテゴリ:お知らせ・報告